神社には、一年を通して様々な祭事、また古くから伝わる言い伝えや、専門的な言葉、道具などがたくさんあります。 ここでは毎回これらのことについて「神社豆知識」として紹介します。

神社豆知識 バックナンバー

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えびす講

 

山野の樹木も色づき、いよいよ紅葉の季節となってまいりました。
この時期は商家が中心となって関東をはじめ全国で「えびすさま」をお祭りして商売繁盛を祈年する恵比寿講(えびすこう)が行われます。
季節柄、商業をはじめ農業や漁業を営む方々において、お米をはじめ五穀の作物や旬の魚の収穫時期になります。特に台風や時化などの自然災害も多く発生するので、無事に豊作・豊漁でき、商いが繁盛するように祈願を込めて各所の「えびすさま」へ参詣します。
そもそも「えびすさま」とは、片手に釣り竿をかかげ大鯛を抱いた福徳円満のお姿で親しまれ、商売の繁栄や開運をもたらす福の神として信仰されております。そのご神像は神話にでてくる大國主命(オオクニシノミコト)の子、事代主命(コトシロヌシノミコト)の神さまであり、あるいはイザナギ・イザナミの最初の子、海洋から天磐樟船(あめのいわくすぶね)に乗ってやってきたヒルコの神様ともいわれ、いずれも漁業、航海の神さまとして崇められてきました。
そして時代とともに「市」という市場ができると商売の神さまとして崇敬され、室町時代には七福神(恵比寿・大黒天・毘沙門天・福禄寿・寿老人・弁財天・布袋)の一神として福運の神さまとして信仰され、江戸時代には商家をはじめ広く民衆に親しまれるようになりました。現在では経済の道を開いた神さまとして海上安全、商売繁盛、開運招福の神さまとして崇められております。なお、古来より宮中において八神の1柱としてお祀りされております。
そのご神徳をお祭りし、形に表したのが「恵比寿講」であります。それぞれ地方によって異なり、旧暦の10月20日、11月20日、正月10日、正月20日などに行うところもあります。10月20日を「商人えびす」、12月8日を「百姓えびす」と呼んだりし、お正月は笹が一年中枯れないことから、色々な縁起物を笹へお飾りして、繁栄をもたらすお守りとして福運を授かります。
また、10月に行うのはこの季節は「神無月」といわれ、日本中の神さまが出雲大社へ出かけしまいます。それぞれの神さまが地域からいなくなってしまうので、その留守を守る神さまが「えびすさま」の役目になります。「きっと、一人で留守番するのは寂しだろうから、この月に特別にお祭りして喜んでいただこう」ということから始まったともいわれ、とても人情味のあるおもしろいエピソードもあります。
おしまいに、今年も五穀豊穣、豊漁であることを祈願・感謝して、旬の美味しいグルメをたっぷりと味わい、味覚の秋を楽しんでみましょう。