=神人和楽=
恭 賀 新 禧
新しき年の始めの初春の
けふ降る雪のいやしけよごと
大 伴 家 持
新しい年の新たな希望と期待に胸膨らむ時、右の歌ほど日本人の心を捉へる一首はありません。
▼新春を迎へる喜びをこれほど素直に言ひ表し、また心ばへの豊かさを感じさせるものもないやうに思へます。
▼雪は豊年の兆し、とか。
▼今、冬のさなかに降る雪につけ、だれもが願ふ豊かな゙ふるさどの情景は、来るべき秋の撓わな稔りを予祝せる、古代人の瑞々しい感性に委ねられているかのやうです。これは我々神職が日々の祭祀の中で実感する奉務の喜びとも強く重なるものであることは間違ひありません。
▼神迎への正月はまた、八百万の神々の御神威の灼然なる時でもありませうし、言霊の幸ふ国日本のよき国柄を存分のこととして、この歌を今一度味はって見たいと思ふのです。
▼今年こそ。今年も。
▼それぞれの思ひを新たな誓ひとして、迎へましたこの年が穏やかなより良き年でありますことを願ひつつ、今年も歳旦祭の斎庭の灯が仄揺らぎます。
(松島)
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